主な仕事

融資係

融資係の仕事とは―――

お申し込みをいただいた融資案件について多角的な面から検討を加え、案件への取り組み方針を決めていきます。個人のお客さまであればマイカーローンや住宅ローン、法人のお客さまであれば設備投資のための事業性融資などがありますが、多様なお客さまのニーズに応じた対応が求められます。

お客さまの相談に満足に答えられない自分がいた

 入行して配属されたのが藤岡支店です。ここで最初の6カ月間、営業係として預金後方事務などを担当したあと、融資係に係替えとなり、ローンを担当することになりました。個人のお客さまに向けたローン商品には、マイカーローン、教育ローン、省エネローン、住宅ローンなどがあります。このなかで最も融資金額が大きくなるのが、言うまでもなく住宅ローンです。
 住宅ローンの場合、ご自分で支店に来店されるケース、住宅を建てる建設会社から紹介されるケース、インターネット経由で申し込まれるケースなどがあります。いずれにしても、所定の申込用紙に、住所、氏名、年齢、勤務先、年収、借入希望額などを記入していただき、それをもとに私たち融資係が対応していくのです。
 このとき、お客さまが他の金融機関などから借り入れがないかといった、かなり立ち入ったこともお聞きしなければなりません。また、お客さまは建築資金のことだけしか考えていないことが多いのですが、実は家を建てる際には他にもお金がかかります。また、家具などの備品の購入にも想像以上のお金がかかってしまいます。そのようなこともお客さまと話し合いながら、資金計画をいっしょにつくりあげていくのが、ローン担当者の仕事なのです。
 さらに、マイカーローンなどは無担保で融資を行いますが、住宅ローンの場合は、土地や建物などの不動産を担保にして融資を行うことになります。それで、担当者は現地に足を運び、該当する不動産がどのくらいの価値があるのか評価する必要があります。
 このようなことから、担当者とお客さまとの間の信頼関係が重要になってきます。私は、お客さまの立場になって心配になりそうなところは先回りして説明したりして、住宅ローンがスムーズに融資できるように努力していきました。
 また、住宅取得にあたって身内の方が資金援助してくれるケースがよくあります。この場合、税制上の特例があるのですが、一般の方は、そんな税制に関して知らない方が多いので、私にご相談されるわけですが、経験の浅い私はこれに満足に答えることができませんでした。
 これはほんの一例ですが、税金や相続、不動産などのさまざまな面で自分の知識や経験不足を感じ、これはなんとかしなければと痛感しました。幸い、支店の周りの先輩たちは、現状に決して満足せず、つねに何かに挑戦しているような方々ばかりでしたから、私も藤岡支店時代に自らのキャリアアップの道を模索するようになっていったのです。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士への挑戦

 藤岡支店では融資を1年半担当したあと、渉外を10カ月間経験し、2015年(平成27年)2月に本店営業部融資課に異動になりました。本店営業部は群馬銀行を代表するフラッグシップ店で、引き続きローンを担当することになりましたが、藤岡支店と比べて案件の数が格段に増え、またその内容も多彩になってきました。
 いろいろな知識が求められるのに、それに答えられない自分をふがいなく思い、1級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士への挑戦を決意しました。異動したその年の10月、スマートに働き、より早く退行しようという「スマ早運動」がスタートしたのも絶好の追い風となり、家に早く帰って生み出された時間を活用して、FPの受験勉強を開始したのです。
 1次の学科試験は毎年1月に行われます。最終面接をクリアして合格できるのは10%前後という難関の資格試験ですが、私は短期集中型でこれにぶつかっていくことにしました。もちろん、通常の勤務をしながらです。
 試験科目は、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業継承の6つです。いま群馬銀行では、法人のお客さまにはコンサルティング営業を、個人のお客さまには資産形成のお手伝いを、それぞれ大きなテーマとして取り組んでいます。これらの科目に含まれる内容はすべて、群馬銀行の業務と何らかの形でリンクしており、あらためて銀行の仕事の幅の広さを認識したのでした。また、受験勉強で身につけた知識は、これから私がどのような仕事を担当しても役に立つ汎用性のあるものだと思いました。
 こうして、2016年(平成28年)7月、私はこの試験に合格することができました。もちろん、時代は常に変化していますし、法律も毎年変わっていきますから、受験勉強で得た知識が実務でそのまま活かせるとは限りません。しかし、日々どんな情報を収集して、どんな知見を身につけていけばいいのかはわかっていますから、これからの私にとってこの資格は大きな武器になると思っています。

「一線完結」で案件のすべてを担当する方向へ

 現在は融資課のなかで係替えがあり、法人のお客さまへの融資業務を担当しています。群馬銀行ではこれを「一般貸」と呼んでいます。たとえば、設備の新設や更新のための設備投資、事業拡大にあたって新しい人を雇うための人件費、新しく事業を興すにあたっての新規起業資金、日常的な資金繰りを円滑に行うための運転資金など、企業にはさまざまな資金ニーズがあり、これに応えていくのがこの仕事です。
 一つの融資案件を組み立てる際には、決算書をもとにその企業の事業の現状などを判断していくわけですが、決算書の数字はあくまで結果です。黒字にせよ、赤字にせよ、どのような要因によってその数字が出てきたかを当事者にヒアリングし、現場も見て探らなければ、企業の本当の姿は見えてきません。
 群馬銀行では、多くの場合、渉外係が法人のお客さまを訪問して、融資案件を掘り起こしていきます。融資係はこの渉外係からバトンを受けて、稟議書を作成し、最終的な融資実行までを担当していきます。このように説明すると、融資係はデスクワークだけが仕事のように思われるかもしれませんが、担当するお客さまに関して現場に足を運び、自分の目で現状を確認することが絶対に欠かせません。
 ですから、融資係といえども、お客さまの強みや弱みをよく知り、それにそったコンサルティングや提案を行っていくことが求められてきます。そのためには、渉外や融資といった担当の枠にとらわれず、一人ひとりのスキルの向上が必須となってくるのです。

1 Day Schedule | 一日のスケジュール
8:20
出社。パソコンを立ち上げ、連絡事項などをチェック。
9:00
渉外と新規の融資案件の打ち合わせ。融資額や返済条件など、これから細かく詰めていく必要がありそう。
10:00
事業再生についてサポートしているお客さまを訪問。業況などを聞き、返済条件の変更などについて話し合う。
11:30
話し合いの結果をもとに、稟議書を作成。業績が徐々に改善していることがわかってほっとする。
12:00
昼休み、昼食。
13:00
昨日訪問した会社の設備資金に関する稟議書のまとめに入る。ヒアリング内容をもとに設備効果を見極め、稟議書を作成していく。最終的な融資実行までもっていく予定だ。
14:30
新しくIT関連事業を起業したいというお客さまが融資の窓口に。ビジネスプランを聞き、融資を受けるための事業計画書のつくり方などをアドバイスする。1週間後に再度来店することになった。
15:30
午前中に打ち合わせを行った渉外から報告を受ける。こちらの条件で融資実行までもって行けそうだ。自分が担当するお客さまに電話をかけ、運転資金の件について訪問するためのアポイントをとる。
17:00〜
退社。