主な仕事

渉外係(預かり金融資産担当)

渉外係(預かり金融資産担当)の仕事とは―――

群馬銀行では、投資信託や債券、保険などの金融商品を預かり金融資産と呼んでいます。これらは銀行の資産とは別物であり、お客さまからお預かりしたものとして分別管理しているからです。お客さまのもとを訪問し、これらの金融商品を提案・販売していくのが預かり金融資産に特化した渉外係の仕事です。群馬銀行では、この分野の専門知識をもった行員の育成のため、集合研修やOJTなどの充実に力を入れています。

アクティブに活動できる仕事を求めて

 私は大学で英語を専攻していたことから、就職活動では語学を生かせる首都圏の会社をいくつか訪問していました。一方で、生まれ育った群馬で働くのもいいかなと考えたとき、金融機関の仕事、特に営業職である渉外の仕事にも魅力を感じました。積極的にお客さまとかかわり、アクティブに活動できる渉外という仕事がもともと外交的な性格の自分にあっているのではないかと考えたのです。さらに、法人・個人を問わず、また業種も問わず、さまざまなお客さまが抱えている課題を解決するお手伝いができる仕事だということも興味を引かれた理由のひとつでした。
 2011年(平成23年)に入行し、前橋市・高崎市・伊勢崎市に囲まれた佐波郡玉村町の玉村支店に配属されました。最初の2年半は新人のキャリアプランにそって、出納や預金後方事務、個人向けローンなどの仕事を担当。そうして銀行業務の基礎を身につけたあと、入行3年目の後半から、「預かり金融資産担当」の渉外係として外訪活動を行うこととなりました。投資信託や貯蓄性の高い保険などの金融商品の提案・販売を通じて、個人のお客さまの資産運用ニーズにお応えしていくのが主な仕事です。
 就職活動を行うみなさんの多くは、投資信託といった言葉は聞いたことがあっても、詳しいことはあまり知らないのではないでしょうか。実際私もそうでした。投資信託は、不特定多数のお客さまから集めたお金を一つの大きな資金にまとめ、運用のプロが国内外の株式や債券などに投資・運用するものです。まったく知識がない、経験がない、といったことを不安に思う方がいるかもしれませんが、その心配はありません。群馬銀行では、預かり金融資産を担当する行員に対し、しっかりとしたプログラムのもとに研修を行っています。グローバルな視点での経済知識、投資信託の商品(ファンド)ごとの商品知識、お客さまを訪問したときの話の切り口など、時にはロールプレイングなども交えた研修が階層別や経験年数などに応じて行われるのです。また、各支店所属の行員の販売支援を行う本部のエキスパート行員が同行訪問して提案のお手本を見せるなどのOJTの機会もたくさんあります。
 しかし、いざ自分でやってみると、これがなかなか思うようにいきませんでした。最初のうちは、頭のなかにぎっしり詰め込んだ商品知識をお客さまにできるだけたくさん伝えたいという思いから、一人芝居のようになったりして失敗が続きました。

タブレット端末を「相棒」にご提案

 そんな私に対し、上司は「君の仕事はしゃべることじゃない。お客さまの話を『聴く』ことが仕事なんだ」というアドバイスをかけてくれました。たとえば初めてお客さまのお宅を訪問したときなどは、庭や家のなかに飾ってあるものに注目して、趣味やご家族の話題をきっかけにして打ち解けた雰囲気をつくること、それから徐々にお客さまの考えをヒアリングしていくといったことが大事だ、と教えられたのです。
 試行錯誤を繰り返し、渉外担当となってから半年ほど経ったころから、上司から言われたことがようやく自分のものになってきたように思います。質問を投げかけて、ちょっとした反応からお客さまの考えをくみ取って、それに合ったご提案を行っていくわけです。
 これは、渉外の各担当が実際の業務のなかで身につけていくしかないと思いますし、その質問内容や言葉遣いなどに正解はありません。でも、ここにお客さまとかかわる渉外の仕事の面白さがあると私は考えます。
 たとえば、会社を退職されて、1,000万円の資金があるお客さまを訪問したとしましょう。いまの私であれば、まずは、会社員時代の「苦労話」や「武勇伝」に耳を傾けます。そして、長年の勤務に対しての労いと共感・尊敬の気持ちをお伝えしつつそのお使い道をお聞きします。運用を考えているか、または考える余地があるのか。運用する場合、リスクをどのように考えるか、リターンはどのくらい期待しているか。そういったことをお聞きして、そのご意向にあわせた商品をご提案していくのです。
 そんなとき強い味方になってくれるのが、預かり金融資産担当の渉外係一人ひとりに貸与されているタブレット端末です。私の仕事の「相棒」みたいなものですが、これを活用することで、個々の商品情報や、リアルタイムでの経済情報をその場でお客さまにご提供できます。例えば、世界の主要な国々の金利がひと目でわかるコンテンツがあります。これを見れば、日本の預金金利がいかに低いかが一目瞭然です。定期預金に1,000万円預けておいても、年間に受け取れるお利息はごくわずかですが、運用、投資というとどうしてもネガティブなイメージをもつ方もいらっしゃいます。そこでタブレット端末が大活躍してくれるというわけです。こうした情報が運用を考える動機づけになり、外貨定期預金や外債を投資対象とした投資信託の提案などにつながっていきます。

フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を徹底する

 玉村支店で渉外の仕事を1年半担当した後、2015年(平成27年)4月、いまの豊岡支店(高崎市)に異動になりました。ここでも、預かり金融資産に特化した渉外係を担当しています。
 最近特にこの仕事に関して強く求められているのが、「フィデューシャリー・デューティー」の徹底です。これは「受託者責任」と訳されていますが、資産運用を受託した金融機関は、資産を預けた人の利益を最大化することに努めるのが義務で、利益に反するような行動をとってはいけないということです。
 具体的にいえば、リスクがあって複雑な仕組みの金融商品をすすめる際は、お客さまが納得できるまで丁寧に説明を行うこと、金融機関が売りたい商品ではなく、お客さまの資産状況やニーズに応じた商品を販売すること、などがあげられます。
 群馬銀行でも、金融商品の販売に関してはルールが徹底されており、私たちはそれに則って日常の仕事に取り組んでいますが、お客さまに対しては「欲張らない投資」をおすすめすることが群馬銀行の基本的なスタンスとなっています。
 先ほどの1,000万円の資金があるお客さまの例でいえば、使い道がまったく決まっていないということであれば、「まずは一部、たとえば100万円で、リスクが少ないファンドに投資してみてはどうでしょうか」と私はおすすめします。資産運用の経験のないお客さまであれば、投資信託とはどんなものであるかを実際に保有していただくことで、日々の経済動向や株式、為替の動きなどに注目するきっかけになると思います。また、変額個人年金保険などの生命保険、医療・がん保険、損害保険、さらにペット保険まで、多様な保険商品も扱います。投資信託だけでなく、お客さまのニーズにそってご提案することができます。
 とはいっても、お客さまの資産状況やご家族構成といったバックグラウンドはすべて異なり、当然ニーズもまた違ってきます。このようななかで、お客さまによりよいご提案をしてくためには、行員一人ひとりが高度な知識を身につけていく必要があります。もちろん、私自身も預かり金融資産担当のプロとして、引き続き自己研鑽に努めていきたいと考えています。

1 Day Schedule | 一日のスケジュール
8:20
出社。パソコンを立ち上げ、各ファンドの状況などを確認するとともに、担当するお客さまに関して何か特筆事項がないかチェック。前日までに電話でアポイントをとったお客さまの訪問スケジュールにそって、資料などを準備。
9:30
お客さまを訪問するために支店を出発。午前中は、はじめてお宅を訪問するお客さまなので、説明に時間がかかるため、アポイントは1件のみ。
12:00
いったん帰店して書類の整理や連絡事項の確認を行い、昼食。
13:00
ふたたび支店を出発。既存のお客さまのアフターフォローと新規のお客さまの開拓とをバランスよく行えるよう、スケジューリングには気を配っている。1日のスケジューリングは渉外担当者に任せられているので、午後は3~4件訪問の予定を入れている。
15:30
帰店後、書類の整理やその日の商談記録などをパソコンに入力。大口の入金があったお客さまのリストをもとに電話し、訪問のアポイントをとる。
17:00〜
18:00
退社。