主な仕事

融資係

融資係の仕事とは―――

お申し込みをいただいた融資案件について多角的な面から検討を加え、案件への取り組み方針を決めていきます。個人のお客さまであればマイカーローンなどの無担保ローンや住宅ローン、法人のお客さまであれば設備投資のための事業性融資などがありますが、多様なお客さまのニーズに応じた対応が求められます。

入行店ではテラー、融資係、渉外係をそれぞれ担当

 2010年(平成22年)、新入行員として配属されたのは栃木県の足利支店でした。足利市は桐生市や太田市などにも近く、足利支店は群馬県内にある営業店と同様、大変に忙しいお店でした。入行直後に実施された集合研修を終え、支店に着任した後の最初の1カ月間は、後方の事務を担当し、そして、2カ月目からテラーとしてハイカウンターの窓口を担当することになりました。
 新人を実戦のなかで鍛えようという支店長の方針によって、入行わずか2カ月目で営業店の最前線に出ることになったのです。とはいえ、ご来店される客さまにしてみれば、担当者が新人だろうがベテランだろうが、そのようなことはまったく関係ありません。プロの銀行員が対応するものとしてご来店されるわけですから、こちらもそれに応えるために必死に勉強しました。まさに、実戦で鍛えられたのです。
 そして、テラーを半年経験したあと、融資係に係替えになり、マイカーローンや教育ローンなどの個人向け無担保ローン担当になりました。これらの商品はいってみればパッケージ商品ですから、商品内容や事務手順を理解すれば経験の浅い行員でも対応ができます。そして、お客さま対応の場面では、分かりやすく、また事務的にならないよう説明するといったことも身をもって学ぶことができます。群馬銀行の融資業務の入門編といったところでしょうか。
 次に担当することになったのが、群馬銀行内で「一般貸し」と呼ばれる貸出業務です。これは、法人のお客さまを対象とした事業性融資のことで、条件がお客さまによってすべて異なるものです。そのため、各担当者がお客さまと折衝、交渉を重ねながら条件をつめていくことになります。
 そして、最終的に支店長または本部の審査部に決裁を仰ぐため(案件により決裁権限者が異なる)貸出申請書にまとめていくわけですが、その作成にあたっては金融の知識だけでなく、お客さまが属する業界の動向などの幅広い知識が求められます。これには、ある程度場数を踏んで経験値をあげていく必要があるのですが、当時、入行して2年目くらいだった私は当然その経験値が乏しく、新聞や雑誌、ネットなどでさまざまな情報を仕入れていく努力をしていきました。
 足利支店は比較的大きな規模の営業店で、融資係、渉外係がそれぞれたくさんいたため、駆け出しだった私が事業を営むお客さまを直接担当する機会はなく、主に渉外係が担当するお客さまの貸出申請書を作成していました。ですので、折衝の相手は渉外係です。みな私より経験のある先輩たちばかりで、聞きづらいこともしばしばありましたが、知らないこと、わからないことはどうしようもないので(笑)、臆せずに真正面からヒアリングするようにしていました。そして、納得したうえで申請書を作成していったのです。
 その後、若手行員を育てるキャリアプランの一環として渉外係も10カ月ほど経験し、初めての転勤で高崎市の金古支店に異動となりました。

渉外も兼ねた融資係としてキャリアを積む

 金古支店では再び融資係を担当することになりました。この支店は足利支店に比べれば行員の数はあまり多くなく、私は融資係でしたが、法人のお客さまを担当して訪問も行う、渉外を兼ねた融資係といった位置づけで仕事を行いました。
 法人のお客さまへの事業性融資で難しいのは、業績不振で資金繰りに苦労しているお客さまを、資金面からどのようにサポートしていくかということだと私は思います。そしてそれは、お客さまのいちばん近くにいる担当者にかかっているのです。
 貸出申請書には、資金の使途、返済財源、担保、財務内容や今後の見通し、担当者の意見などを記載していきます。ほかにも、属する業界の将来性、その企業自身の業界での位置づけや強み、経営者のスタンスやビジョン、従業員の仕事に取り組む姿勢、社内の雰囲気といった定性的な事柄も加えていきます。また、業界の動向などで、それを裏付ける客観的なデータがあればそれも添付します。
 群馬銀行としては地域経済活性化のためにも、お客さまの資金ニーズにはできるだけお応えしていきたいと考えています。そのために、現場の第一線の渉外係あるいは融資係は、その企業の強みを理解し、課題にしっかり向き合い、お客さまの成長につながる融資を実行していけるよう日々奮闘しているのです。
 金古支店では渉外兼融資係として、お客さまとの交渉から貸出申請書の作成、さらには融資実行のための契約書類の作成といった事務処理まで、融資に関するすべての仕事を経験することができました。これによって、融資係としての私の経験値はぐんとアップしたと考えています。
 そして2016年(平成28年)7月、現在の栃木支店に異動となり、いまも引き続き融資係として仕事をしています。

現場や商品を自ら確認し、融資実行へ

 ここで、これまで私が経験してきたさまざまなお客さまとのかかわりのうち、2つを紹介しましょう。
 1つ目は、ある建設業の経営者の方とのかかわりです。その会社の強みは、大型の重機を使う特殊な工事でした。社長は担当者の私に、事業拡大への思いや新たな重機の購入の必要性などを話してくださいました。群馬銀行を信頼し、担当者である私を頼ってくださっていることが伝わってきて、この仕事のやりがいや責任を実感しました。
 重機はかなり特殊なもので、1台あたりの購入金額は高額になります。実際に受注する工事が増え、重機の拡充が必要となるなかで、社長の思いに応えるべく短いスパンで融資を実行したことがとても印象深いです。
 2つ目は、ベーカリーショップを経営するお客さまとのかかわりです。ある時、スーパーなどでインストアべーカリーを経営するお客さまから、ロードサイド型の独立した店舗を出店するための融資を受けたいとのご相談を受けました。ロードサイドへの出店は初めてということもあり、収支計画などにつき社長と一緒になって考えたり、また、自分なりにマーケットを調べて出店場所の妥当性を検証したりもしました。資金面はもちろん、そうしたサポートを行った店舗を目の前にした時に感じる充実感は、銀行の仕事ならではだと思います。
 そして、ロードサイドの店舗が軌道に乗ると、次なる事業展開としてカフェを併設したお店を出店したいとの相談を受けました。カフェ業態の店舗がたくさんあるなかで、どんな特色を出すのか。それを質問したところ、社長は、ある商品を前面に押し出し、看板メニューとする戦略があるとおっしゃいます。だったら、ということでその看板メニューを試食させていただくことにしました。ここではそれが何かはあえて言及しませんが、お世辞抜きでおいしく、まさに看板と呼ぶにふさわしいものでした。この新店舗についても資金面でサポートを行うこととなり、銀行の仕事において現場を見ること、商品を自分の目や舌で確認することがいかに大切かを学ぶことができ、とても印象に残っています。

1 Day Schedule | 一日のスケジュール
8:20
出社。パソコンを立ち上げ、連絡事項などをチェック。
9:00
渉外から持ち込まれた新規の融資案件の検討。その後、昨日からとりかかった貸出申請書の作成。お客さまを担当する渉外係とすりあわせしながら、稟議書をつくりあげていく。
11:00
事業再生についてサポートしているお客さまを訪問。業況を確認して返済条件などを検討する。
12:00
昼休み、昼食。
13:00
午前に引き続き、稟議書の作成。渉外係に約束した日時よりも早く案件の承認が下りるよう、書類の書き方を工夫する。
15:30
お客さまより、新規案件に関して相談したい旨の電話が入る。全国的に名のとおった会社だけにかなりロットの大きな案件になりそう。翌日訪問することを約束する。
17:00〜
18:00
退社。