健康経営の推進について

代表取締役頭取 深井 彰彦
当行では、従業員およびその家族の心身の健康は、働きがいやエンゲージメントの向上に加えて、パーパスの実現に向けた重要な要素の一つと位置付けており、中期経営計画の人的資本の充実の一環として健康経営を推進しています。
多様な従業員が心身ともに健康な状態で活躍できる環境を整備し、地域社会の活性化と発展に永続的に貢献するために、「健康経営宣言」を制定し、健康保持・増進策を強化しています。
代表取締役頭取 深井 彰彦
健康経営宣言
群馬銀行は、従業員の心身の健康保持・増進を積極的にサポートし、活力あふれる組織、働きがいのある風土づくりに努め、永続的な地域繁栄の担い手を育んでいきます。

人財戦略の主要課題として「Well-beingの向上」を掲げ、一人ひとりがいきいきと働きがいを持てる職場づくりに取組むとともに、KPIとして健康経営優良法人の認定継続を設定し、有価証券報告書や統合報告書、IR等で開示(説明)しています。
また、2023年6月に開示した社内環境整備方針についても「健康」を重要なキーワードの一つとしており、健康経営に対して積極的に取組む姿勢を示しています。
「価値創造の源泉である役職員一人ひとりが、お互いの個性や能力を認め合いながら心身共に健康で活躍し続け、Well-beingを実現できる環境を整備していきます。」
仕事やキャリア形成に関する価値観が多様化するなか、私たちは働き方改革やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに積極的に取組むとともに、個々の能力を最大限に発揮できる「適所適材」の活躍機会の提供等により、全役職員が生き生きと働きがいを持ちながら活躍し続けられる健全で快適な職場環境を構築し、一人ひとりのWell-being実現を目指していきます。
なお、群馬銀行では「Well-being」を重要な概念と捉えていることから、以下の通り独自に定義し、あるべき姿を明確化しています。
役職員一人ひとりが、ワーク・ライフ・バランスを実現しながら、自らが望むキャリアを自律的に実現していることにより働きがいを持ち、身体的・精神的・社会的に良好な状態であること。
健康経営を通じて解決を図りたい課題
事業を通じて永続的に地域社会の活性化と発展に貢献し、持続的な収益を上げていくためには、組織全体のパフォーマンスを向上させることが課題です。そのために、従業員の心身の健康につながる施策や支援を行い、従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めることに取組んでいます。
少子高齢社会が進行するなか、人材不足の問題は経営上の大きな課題となります。また、企業としての競争力を維持・向上させていくために、優秀な人材を採用し、長期にわたり安心して働き続けられる魅力的な職場環境の整備を推進しています。
健康経営の推進体制
当行では、健康経営を推進するために経営レベルの会議において、健康経営の全体方針、戦略の進捗状況の確認を行っています。個々の施策に関しては健康保険組合や従業員組合と連携して企画案を検討し、保健管理事業推進委員会や安全衛生委員会において審議・決定しています。
また、本部に産業医・産業保健スタッフを配置し、各部店においては部店長を健康実務責任者に任命しています。
【運営】

【健康管理体制】

【健康づくりマネジメントシステム】

群馬銀行グループは、健康経営宣言実現に向けた健康づくりマネジメントシステムを推進しています。様々な健康づくり施策において、健康保険組合や従業員組合と連携し実施しています。
【健康づくりマネジメントシステムのPDCA】
- P:群馬銀行グループのパーパス実現に向けた中期経営計画の中で健康経営を実施。
- D:いきいきと働きがいを持てる社内の環境づくりや制度の整備、ストレスチェック・健診後の事後措置、保健指導、健康づくり施策を実施。
- C:取組み成果を外部研究者や有識者との協同で確認。健康基礎情報との突合と課題分析により取組み効果や妥当性を確認。
- A:安全衛生委員会や保健管理事業推進委員会、健康経営推進会議等を通じて取組みの振り返りと今後のアクションプランを検討。
健康経営戦略マップ

- 1地域社会の発展を常に考え行動すること
これが私たちの事業です。 - 2お客さまとの創造的な関係を深めること
これが私たちの仕事の原点です。 - 3よき企業人であるためによき市民であること
これが私たちの活動の基本です。 - 4一人ひとりの顔が見える表情豊かな組織である
こと
これが私たちの大切にする企業風土です。
上記を企業理念とし、地域と共に持続的に成長することを目指しています。
群馬銀行は「私たちは『つなぐ』力で地域の未来をつむぎます」をパーパスに掲げています。
パーパスを起点に人的資本などのインプットに投資し、具体的な活動を通じて成果(アウトカム)を生み出し、その成果が企業価値と社会的価値を創出し、さらに次のインプット強化へと循環していく経営を推進しています。
群馬銀行は、従業員の心身の健康保持・増進を積極的にサポートし、活力あふれる組織、働きがいのある風土づくりに努め、永続的な地域繁栄の担い手を育んでいきます。
健康経営はパーパス経営を体現する柱であり、従業員の健康を基盤に人的資本を充実させ、地域と当行グループの持続的成長を支えます。
健康を守る仕組みを整え、自己健康推進力を育み、制度・環境を整備し、それらを健康風土として根付かせます。
この循環を通じて従業員のWell-beingとエンゲージメントを高め、多様な人材が活躍できる基盤を築き、パーパスの実現へとつなげます。
- 従業員が心身ともに健康で意欲的に働き続けられる状態を維持・拡大する。
- 性別やライフイベントに左右されず、多様な人材が活躍できる職場を実現する。
- Well-being&エンゲージメント
従業員のエンゲージメント向上によるパフォーマンスの最大化をアウトカムとして設定し、重要目標達成指標として「ワークエンゲージメント」、「プレゼンティーズム」の進捗状況を定量的に把握する。
- DE&I
多様な組織の形成によるイノベーション創出・組織力強化をアウトカムとして設定し、重要目標達成指標として「女性管理職比率」と「男性育休平均取得日数」の進捗状況を定量的に把握する。
主な健康施策
当行は、健診結果・ストレスチェック結果・健康保険組合のスコアリングレポートなどの健康データをもとに全従業員の健康課題を把握・分析しています。その健康課題の解決に向けて、環境整備や自己健康推進力を高めるための施策を実施しています。
項目 | 内容 |
---|---|
ワークライフバランス |
|
疾病予防 |
|
メンタルヘルス |
|
運動増進 |
|
環境整備 |
|
コラボヘルスの取組み
健康保険組合や従業員組合と積極的に連携し、コラボヘルスに取組んでいます。従業員のみではなく、その家族も含めた健康増進を目的としており、疾病予防や早期発見・早期治療、健康増進に向けた取組みを行っています。
主な取組み
- 定期健康診断を兼ねた「人間ドック(1日または宿泊)」の実施
- PSA検査および子宮頸がん検診の人間ドック基本項目化
- 20歳以上の女性被保険者への乳がん検診補助
- インフルエンザ予防接種補助
- 歯科健診補助
- 無償禁煙外来の提供
- ウォーキングキャンペーンの実施
- オンライン学習プログラムの提供(メンタルヘルス・がん予防・運動習慣・食事栄養・肩こり腰痛・目の健康・歯と口の健康・メタボ対策・感染症対策・転倒予防・フェムテック・フェムケア・花粉症・アルコール依存症等)
- ハイリスク者への保健指導
- 50歳以上の女性被保険者へ骨粗しょう症検査補助
等
健康経営における数値目標
項目 | 測定方法 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 目標値 | 対象人数 | 実施率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ワーク・エンゲージメント※1 | 新職業性ストレス簡易調査票(点数) | 68 (wevox) |
68 (wevox) |
2.5 | 2.6 | 2.52以上 | 3942人 | 100% |
アブセンティーズム※2 | 社内統計調査 | 0.31日 | 0.39日 | 0.52日 | 0.55日 | 0.5日 未満 |
4150人 | 100% |
プレゼンティーズム※3 | SPQ(東大1項目版) | - | - | 20.9 | 16.0 | 15.1% 以下 |
3942人 | 100% |
- ※1ワーク・エンゲージメント … 「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りとやりがいを感じている」 (熱意)、「仕事に熱心に取組んでいる」(没頭)の3つが揃った状態。新職業性ストレス簡易調査結果から算出。
- ※2アブセンティーズム … 健康問題による欠勤。私傷病による休職者の割合。
- ※3プレゼンティーズム … 健康問題による出勤時の生産性低下。測定はSPQ(東大1項目版)を使用し、100から回答数値の平均値を引いた値を当行プレゼンティーズムとして、ストレスチェック実施時に算出。
ワーク・エンゲージメント

アブセンティーズム

プレゼンティーズム

項目 | 2022 | 2023 | 2024 | 目標値 |
---|---|---|---|---|
女性管理職比率 | 16.0% | 19.0% | 21.2% | 30.0% |
男性育休取得率 | - | - | 101.8% | 100% |
男性育休取得日数 | - | - | 24.9日 | 30日以上 |
中途採用比率 | 4.0% | 13.8% | 23.3% | 30.0% |
女性管理職比率

中途採用比率

社内の連携体制について(労働安全衛生)
安全衛生委員会では各部署の代表者や従業員組合が出席し、健康経営や労働安全衛生をはじめとする議題および施策について協議しています。
主な議事
- 健康経営施策・効果検証
- 労働災害発生状況
- 定期健康診断結果
- ストレスチェック結果
- 長時間労働の発生状況
- ハラスメント事案に対する検討 等
【労働安全衛生に関する指標(労働災害発生件数)】
項目 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
労働災害 発生件数 |
50件 | 38件 | 38件 | 36件 | 35件以下 |
死亡事故件数 | 0件 | 0件 | 0件 | 0件 | 0件 |
労働災害発生件数と死亡事故件数の推移

従業員の健康課題と取組みの成果
項目 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
有所見者率 | 41.8% | 43.2% | 43.8% | 43.3% | 40%未満 |
精密検査受診率 | 67.0% | 84.4% | 87.5% | 88.7% | 90%以上 |
特定保健指導実施率 | 68.8% | 73.6% | 71.6% | 71.6% | 70%以上 |
ストレスチェック受検率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
高ストレス者率 | 8.8% | 8.5% | 9.7% | 8.7% | 9%未満 |
長期休暇者人数 | 41人 | 35人 | 49人 | 52人 | - |
治療コントロール率(血圧測定) | 56.7% | 55.7% | 59.0% | 58.3% | 60% |
喫煙率 | 15.0% | 14.3% | 13.8% | 14.1% | 12%未満 |
適正体重維持者率 | 67.0% | 67.4% | 68.0% | 69.1% | 66%以上 |
睡眠が十分にとれている人 | 70.5% | 71.3% | 68.3% | 68.3% | 70%以上 |
運動習慣者比率 | 23.3% | 23.3% | 23.8% | 23.8% | 25%以上 |
GBスポーツセンターの利用回数(年間) | - | - | - | 3219回 | 2400回以上 |
平均残業時間数(月) | 16時間 | 14時間 | 10時間 | 10時間 | 10時間以内 |
年次有給休暇取得率 | 70.2% | 80.5% | 82.6% | 81.4% | 80%以上 |
社内研修・イベントの実施状況
- 健康経営とヘルスリテラシー(管理監督者/全従業員)
- メンタルヘルス(管理監督者/全従業員)
- 睡眠と健康(全従業員)
- 女性特有の健康課題(管理監督者/全従業員)
- 育児と仕事の両立(管理監督者/全従業員)
- 介護と仕事の両立(管理監督者/全従業員)
- 治療と仕事の両立(管理監督者/全従業員)
- 健康経営の推進と企業価値の向上について(管理監督者)
- 不妊治療と仕事の両立(管理監督者/全従業員)
- 男女の更年期障害(全従業員)
- 唾液採取によるがんリスク検査の実施
- 健康フェアの実施(野菜摂取量測定、血管年齢測定、ロコモティブシンドロームチェック、乳がん触診体験、骨密度測定検査、血圧測定、各種パンフレット配布)
等
健康経営の普及と推進について
群馬銀行では、社内における健康経営の推進だけではなく、取引先へのノウハウの提供、調査機関と連携した群馬県内における推進・啓発活動、未来の日本の健康を守る医学生・看護学生への教育活動を通して、健康経営を地域全体へと推し進めています。