気候変動への取組み

気候関連財務情報開示タスクフォース

群馬銀行は、「群馬銀行グループSDGs宣言」の重点課題の一つである「地球環境の保全と創造」に向けた取組みとして、2020年7月にTCFD提言への賛同を表明し、気候変動が当行の経営にもたらす影響などに関する情報開示を積極的に行っています。

ガバナンス

ガバナンス体制

ガバナンス体制
  • 当行では、気候変動への対応を含むSDGsやESG等のサステナビリティに関する取組みを経営の重要事項として捉え、ガバナンス体制を構築しています。
  • 2022年4月には、サステナビリティへの取組みをさらに強化し、中長期的な視点による経営戦略の構築と各施策の実効性向上を図るため、頭取を委員長としたサステナビリティ委員会を設置しています。
  • サステナビリティ委員会は、原則として年4回開催し、サステナビリティに関する取組方針の策定や計画の進捗状況報告等を主な協議・検討事項としています。
  • サステナビリティ委員会での協議・検討事項は、委員会開催の都度、頭取の諮問機関であり業務上の重要な事項に関し協議を行う常務会に付議/報告することとしています。
    また、取締役会には原則として年4回報告を行うことで、取締役会が監督を行う態勢としています。なお、サステナビリティに関する重要事項については、取締役会に付議し、取締役会が意思決定を行っています。

業績連動型株式報酬

  • 2019年6月に導入した社内取締役に対する業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア)の評価指標のうち、非財務指標について、「当行の温室効果ガス排出量の削減率」や「再生可能エネルギー事業向け融資の実行額」等、気候変動への対応を含むSDGs達成への貢献を測る指標を採用しています。

戦略

気候変動関連のリスク・機会の特定

  • 気候変動に伴うリスク(物理的リスク・移行リスク)と機会については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っています。
    種類 概要(時間軸)
    物理的リスク
    • 水害等に伴う不動産担保(建物)の毀損(短期~長期)
    • お客さまの事業施設の被災に伴う事業停滞による信用リスクの増加(短期~長期)
    • 当行事業施設の毀損等による事業コストの増加(短期~長期)
    移行リスク
    • 気候変動に関する規制や税制等の強化が、お客さまの業績にネガティブな影響を及ぼすことによる信用リスクの増加(中期~長期)
    • 低炭素・脱炭素製品への移行コストの増加や消費者の製品嗜好の変化等への対応の遅れなどお客さまの業績にネガティブな影響を及ぼすことによる信用リスクの増加(短期~長期)
    • 当行が十分な情報開示を行っていないと判断された場合の当行のレピュテーションの低下(短期~長期)
    機会
    • 脱炭素社会への移行を支援する新たな金融商品やサービスの提供(短期~長期)
    • 当行営業拠点の省資源・省エネルギー化による事業コストの低下(短期~長期)
    • 気候変動に伴う災害対策のための公共事業や企業の設備資金需要等の増加(短期~長期)

シナリオ分析

  • 物理的リスクおよび移行リスクについて、複数の温度帯シナリオを用いて、各シナリオ下における当行の与信費用の増加額を推計しました。以下のとおり、いずれの分析においても、当行財務への影響は限定的であると評価ができる結果となりました。

    【使用したシナリオ】
    シナリオ 想定される主な動き リスクへの影響
    「4℃シナリオ」
    IPCC/RCP8.5(4℃シナリオ)
    規制の導入が鈍く、地球温暖化がさらに進むシナリオ 物理的リスクの増加が見込まれる
    「2℃以下シナリオ」
    IEA/NZE2050(1.5℃シナリオ)
    IPCC/RCP2.6(2℃シナリオ)
    気温の上昇を抑制するために、必要な規制や技術革新が導入されるシナリオ 移行リスクの増加が見込まれる

物理的リスク

  • 物理的リスクについては、気候変動に起因する自然災害の大半を占め、国内で発生確率の高い水害による影響を分析しました。
  • 分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、ハザードマップを利用して推計した「当行が保有する担保不動産の価値毀損額」および「浸水に起因するお客さまの事業停滞日数」から、2050年までの当行の与信費用の増加額を試算しました。
  • 分析の結果、2050年までの与信費用の増加額は最大で63億円となりました。
    シナリオ 「4℃シナリオ」
    分析対象 国内に本店を置く融資先中小企業
    分析内容 ハザードマップを利用して推計した当行担保不動産(建物・マンション)毀損額・お客さまの業績悪化による売上減少額から、与信費用への影響を推計
    対象期間 2050年まで
    分析結果 2050年までの与信費用増加額:最大で63億円

移行リスク

  • TCFD提言で気候関連の財務影響を受けやすいとされるセクターのうち、気候変動への影響度と当行のエクスポージャーという観点から、地域の基幹産業でもある「自動車」セクターを分析対象として選定しました。
  • 分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook 2021」におけるNZEシナリオ(1.5℃シナリオ)などを参考に、2050年における電気自動車の販売比率を100%とし、炭素税導入や設備投資・研究開発費等のコスト増加のほか、電気自動車への移行に伴う構成部品の変化等も考慮しました。加えて、電気自動車販売比率の増加が自動車部品サプライヤーに与える事業インパクトを想定し、各社の取扱製品構成比率等によりグループ分けを行った上でサプライヤーの業績推移予測を行い、2050年までの当行の与信費用の増加額を試算しました。
  • 分析の結果、2050年までの与信費用の増加額は累計で48億円となりました。
    シナリオ 「2℃以下シナリオ」
    分析対象 「自動車・同付属部品」製造業
    分析内容
    • セクターに対して想定される事業インパクトを定性的に評価
      【主な事業インパクト】

      炭素税の導入、GHG排出規制の強化(コストの増加)
      電気自動車への転換(設備投資の増加、構成部品の変化によるサプライヤーへの影響等)

    • 定性分析結果を踏まえ、シナリオに基づき炭素税導入などのコスト増加などを反映した将来の業績変化を予想し、与信費用への影響を推計
      • 想定した主な要因
        • 2035年:内燃機関自動車(ガソリン車)の新車販売停止
        • 2050年:電気自動車等の次世代自動車の販売比率100% など
    対象期間 2050年まで
    分析結果 2050年までの与信費用増加額:累計で48億円

炭素関連資産の状況

  • 当行の与信残高に占める炭素関連資産の割合は、約0.9%となっております。
    (エネルギーおよびユーティリティセクター向けエクスポージャー。2022年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く)
    【参考】2021年10月のTCFD提言の改訂に基づく炭素関連資産の割合:約23.5%
    • 2021年10月のTCFD提言の改訂により、炭素関連資産は「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食糧・林業製品」に再定義されています。当行では、日銀業種分類をベースに該当業種を選定し集計しました。

リスク管理

  • 当行は気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが当行の事業運営や戦略・財務計画に大きな影響を与える重要なリスクと認識しています。シナリオ分析等により把握した各種リスクについて、「信用リスク」「オペレーショナル・リスク」などリスクカテゴリーごとに影響を把握し、既存の枠組みの中で管理する態勢を整備していきます。
  • シナリオ分析の結果等を踏まえ、気候変動への対応や脱炭素社会への移行に向け、お客さまとの対話(エンゲージメント)を強化していきます。お客さまごとの課題やニーズを深く理解しソリューションを提供することで、ビジネス機会の創出や管理の強化につなげていきます。
  • また、サステナビリティを考慮した環境・社会課題解決に資する取組みとして、2021年6月に「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定しました。新設の石炭火力発電所を資金使途とする投融資は原則として行わないなど、気候変動リスクへの影響が大きいセクター向け与信の取組姿勢を明文化しています。
    • 「環境・社会に配慮した投融資方針」についてはこちらをご参照ください。

指標と目標

サステナブルファイナンス

  • 地域のサステナビリティ実現に向け、環境・社会課題等への取組みをさらに進めていくため、2030年度までの中長期的なファイナンス目標を設定しています。
  • サステナブルファイナンスに積極的に取組むことで、地域のESG課題の掘起しや解決につなげてまいります。

    サステナブルファイナンス累計実行額目標

     2024年度      5,000億円(うち環境分野 3,000億円)
     2030年度 1兆5,000億円(うち環境分野 1兆円)
    • 2022年度以降の累計実行額。サステナブルファイナンスは、環境課題(再生可能エネルギーや省エネ設備等)や、社会課題(創業、事業承継、医療等)の解決に資するファイナンスを対象としています。
  • また、地域の脱炭素化への取組みとして、再生可能エネルギー開発支援に向けた総額500億円の投融資枠(ファンド)「GBグリーンファンド」を2021年10月に設定しています。本ファンドを通じて、再生可能エネルギー開発を支援し、温室効果ガスの削減に貢献するとともに、分散電源の普及等によるエネルギーの地産地消や地域活性化にも取組んでまいります。

    GBグリーンファンド累計実行額

    2021年度 183億円

    • 2021年10月~2022年3月

温室効果ガス排出量削減目標と実績

  • 地域の環境課題解決に積極的に取組むことで、脱炭素社会の実現や社会の持続的発展に貢献していくため、2022年1月、当行における温室効果ガス排出量削減目標を見直し、「2030年度 ネットゼロ」を目標として設定しています。
  • 2021年度の温室効果ガス排出量は、10,256t-CO2であり、2013年度比8.5%の削減となりました。
  • なお、2022年4月より本店ビルの電力は再生可能エネルギー由来の電力に切替えており、現在、本店ビルの電力使用に伴う温室効果ガス排出量は実質ゼロとなっております。
  • 今後、再生可能エネルギー由来の電力を使用した店舗や現在一部の店舗に導入済みの太陽光発電を設置した店舗を増やすとともに、電気自動車の導入や省エネルギー設備への更新等を行い、脱炭素に向けた取組みを一層強化してまいります。
    排出量削減目標

    温室効果ガス排出量
    過去の温室効果ガス排出量

紙(コピー用紙)の使用量削減目標と実績

  • 2020年7月、紙(コピー用紙)使用量削減の目標を設定し、削減に取組んでいます。
  • 2021年度は、2013年度比46.2%削減となり、2030年度目標を大幅に前倒して達成しました。
  • また、温室効果ガス排出量算出においては、スコープ3の算出に向けた検討を進めております。その中でも、紙購入にかかる排出量を削減することは、当行のデジタル戦略における業務プロセス改革の推進等とも関連する重要な施策と考えています。
  • 引続き、紙の使用量の削減を推進することで、紙購入による温室効果ガス排出量の削減に努めるだけでなく、スコープ3の計測も充実させてまいります。
    【参考】2021年度の紙(コピー用紙)購入における温室効果ガス排出量:263t-CO2
    紙(コピー用紙)使用量の削減目標
    紙(コピー用紙)使用量