群馬銀行について

頭取メッセージ

取締役頭取 深井 彰彦

最近の経済情勢をみますと、コロナ禍からの脱却による社会経済活動の正常化や、企業の賃上げに伴う消費拡大への期待の高まり、円安を背景とした物価高や、日本銀行による金融政策の転換など、私たちをとりまく環境は変化し続けています。
また、地域に目を向けますと、深刻化する人手不足に対応するため、デジタル技術の活用等による生産性の向上が大きな課題となっているほか、脱炭素化に向けた機運が高まるなか、環境に配慮した取組みも一層進めていく必要があります。
当行ではこうした環境のもと、パーパス「私たちは『つなぐ』力で地域の未来をつむぎます」にもとづき、地域社会と当行グループの持続的な成長をめざし、お客さまや地域の課題解決に取組んでいます。

2022年4月よりスタートした中期経営計画「Innovation for “Purpose”」では、パーパスにもとづく「めざす未来」の実現に向けて、デジタル戦略をベースに、効果的な営業態勢の構築、お客さまとの接点強化、企業への金融・本業・事業承継支援、個人のお客さま一人ひとりに寄り添ったコンサルティングなど、様々な取組みを行っています。中期経営計画の策定から2年が経過し、多くの施策が実を結ぶなか、事業承継の課題解決件数や人材紹介の成約件数などの「つなぐKPI」も順調に進捗しており、結果として、計画の最終年度で掲げている利益目標を1年前倒しで達成することができました。

当行では2022年10月より、お客さまとの対話を起点に、お客さまのめざすゴールの共有、その実現に向けた必要なニーズの把握、そして、的確なソリューションの提供にいたるまでの一連の営業活動を「つなぐプロセス」として展開しています。この「つなぐプロセス」は、目先のニーズだけでなく、お客さまとのゴールの共有を通じて、長期的な視点でニーズを把握している点が特徴です。導入開始から、1年6か月経過した時点では、6,085先の事業者のお客さまとの対話を通じて、17,000件を超えるニーズを抽出することができました。抽出されたニーズに対しては、営業店や本部、グループ会社が一体となり様々なソリューションを提供し、その解決に取組んでいます。
お客さまへソリューションを提供するにあたり私たちが大事にしていることは、ファイナンスや事業承継支援、人材紹介など一つひとつの提案をそれぞれ別のものとして完結させるのではなく、お客さまのめざすゴールの実現に向けた一つのプロセスとして捉え、長期的な視点から幅広い提案を行っていくことです。当行ではこうした考え方を「フルスペックアプローチ」と呼んでいます。フルスペックアプローチの展開は、お客さまの持続的な成長はもとより、当行の利益拡大にもつながることから、まさにパーパスにもとづく活動そのものといえます。

当行グループでは、こうしたパーパスにもとづく営業活動を通じて、お客さまや地域の持続的な成長を支援していくとともに、役職員のエンゲージメント向上や、株主の皆さまなど多くのステークホルダーとの信頼関係の構築により、今後も更なる企業価値の向上に取組んでまいります。
最後になりますが、今後も私たち群馬銀行グループの成長や発展に向けて、引き続き温かいご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

2024年7月
代表取締役 頭取
深井 彰彦