生成AI活用の取組み状況について
2025年11月27日
群馬銀行 (頭取 深井 彰彦)は、パーパス「私たちは『つなぐ』力で 地域の未来をつむぎます」の実現に向け、2025年4月よりスタートした中期経営計画「Growth with“Purpose”」の戦略テーマ「DX・業務改革」「データ利活用」「人的資本」の一環として、行内業務を中心に生成AIの本格的な活用を推進しておりますので、その取組み状況をお知らせいたします。
記
生成AIを活用した主な施策
2025年4月、デジタルイノベーション部内に「AI・データ戦略室」を新設し、本組織が中心となり、全行的なAI関連の企画立案、データ利活用の強化、ならびに業務効率化や営業活動支援などを推進しております。
生成AIの活用においては、熟練行員が有する知見の承継や、業務品質の均質化を促進することで、行員がお客さまに対しより付加価値の高い提案業務を行えるよう、支援しています。
| 施策 | 概要 | 導入年月 | |
|---|---|---|---|
| ぐんぎんAIチャット | 企画立案や文書作成の支援などに活用できる、安全性の高い環境で全行員が利用できる生成AI | 2024年7月 | |
| File Search機能 | 会議資料などをAIが読み込み、内容を踏まえた回答を生成する。情報整理などの効率化を図る。 | 2025年7月 | |
| Code Interpreter機能 | Excelなどで集計したデータに対し、簡単な指示でAIが分析を行い、グラフや図表を生成する。 | 2025年7月 | |
| プラグイン機能 | 預金や融資などの規定やマニュアルを踏まえて、AIが回答を生成する。事務取扱確認などの効率化を図る。 | 2025年12月 (予定) |
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| AI議事録 | 行内で実施する会議を録音し、AIが文字起こしを行い、要約や決定事項を整理して、議事録を自動で作成する。 | 2025年9月 | |
| AIロープレ | AIを相手に、資産運用やローンなど、お客さまとの面談を想定したロープレを実施し、人材の早期育成を図る。 | 2025年10月 | |
| 生成AIパスポート取得支援 | 生成AIに関する行員全体のリテラシー向上のため、受験料および公式テキスト代を補助する。 | 2025年11月 (予定) |
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| AIポリシー | 生成AIの利用目的、遵守事項、倫理原則、リスク管理等を定めた行動指針を制定する。 | 2025年度中 (予定) |
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融資業務における生成AIの活用
「融資業務のプロセス全体をAIが伴走する」をコンセプトに、フューチャーアーキテクト株式会社(代表取締役社長 谷口 友彦)と協働で、融資業務における生成AIを活用した新たなシステムの開発を開始しました。これにより、融資業務のさらなる品質向上と効率化を図ります。
- 生成AIによる融資業務の伴走支援
行内のマニュアルや蓄積された審査データをRAG※によって活用し、経験の浅い行員の融資業務をAIが伴走支援するナビゲーションを実現します。AIエージェントを用いた機能により、決算書分析など複雑なリサーチプロセスを自動化します。これにより、行員の経験年数に関わらず安定した品質での業務遂行を実現し、融資ノウハウの次世代への継承を促進します。

- アナログ資産のデジタル化とナレッジ活用
これまではデータ化できていなかった決算書の科目明細などを生成AIで読取り、データ化します。これにより、銀行資産のさらなる活用を図るとともに、アナログ作業を代替し生産性を向上します。 さらに、データ化された情報を、自然言語で横断的に検索できる環境を整備します。誰もがデータにアクセスして活用ができる仕組みを構築することで、組織全体のナレッジ活用を推進します。
- ※RAG:Retrieval-Augmented Generationの略。大規模言語モデル(LLM)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと。
以上